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障害年金は最大5年分まとめて受給できます。でも「時効」で毎日少しずつ消えていきます。

遡及請求で数百万円になることもあるが、5年を超えた分は二度と戻らない

 障害年金には「遡及請求」という仕組みがあります。過去に障害の状態に該当していたにもかかわらず請求していなかった場合、条件を満たせば過去分をまとめて受け取れる制度です。2026年度の支給額を基準にすると、障害基礎年金1級で5年分をまとめて受け取ると約510万円、2級でも約400万円前後になるケースがあります。

 ただし、ここには大きな落とし穴があります。年金を受け取る権利には5年の時効があり、実際に受け取れるのは請求した時点から遡って直近5年分までです。

 障害認定日が10年前であっても、5年を超えた分は時効で消滅してしまい、二度と受け取ることはできません。つまり、「知らなかった」「申請が遅れた」という理由で、本来受け取れたはずのお金が、今この瞬間にも静かに失われ続けているのです。

なぜ遡及請求を知らずに損している人が多いのか

 障害年金は、申請すればいつからでも将来分がもらえる制度だと誤解されがちです。しかし実際には「障害認定日(原則、初診日から1年6か月後)」の時点で障害の状態に該当していれば、その翌月分から受給権が発生します。この障害認定日にさかのぼって請求することを「遡及請求」と呼び、認められれば未払い分が一括で口座に振り込まれます。

 「体調が悪くて手続きする余裕がなかった」、「そもそも障害年金という制度を知らなかった」、「精神的に病院と年金事務所を何度も往復する気力がなかった」。こうした事情で請求が遅れている方は少なくありません。しかし、時効はそうした事情を考慮してくれません。請求が1年遅れれば、その1年分の年金は時効に近づき、最終的に受け取れる金額が目に見えて減っていきます。

遡及請求が難しい本当の理由

 遡及請求の最大のハードルは、過去の障害の状態を、今の時点で証明しなければならないことです。具体的には、障害認定日当時の状態を記載した診断書(多くの場合、当時通っていた病院に依頼する必要があります)が必要になります。

しかし、何年も前の受診であれば、次のような問題が次々と出てきます。

・当時通っていた病院がすでに閉院している

・カルテの保存期間(多くは5年)を過ぎて、当時の診療記録が廃棄されている

・転院を繰り返していて、初診日を特定できる証拠が分散している

・当時の担当医が退職・異動していて、症状の詳細を覚えていない

 これらの問題は、時間が経つほど深刻化します。「気づいたときにはもう遡れる範囲が縮んでいた」というケースは非常に多く、遡及請求は文字通り時間との勝負になります。

遡及請求で損をしないためにできること

・初診日が分かる資料(診察券、お薬手帳、健康保険の医療費通知など)は、今すぐ手元にあるものを確認し保管しておく

・通院していた病院が閉院・移転していないか、早い段階で確認する

・「事後重症による請求」(現在の状態から将来分のみ請求する方法)との違いを理解し、自分のケースでどちらが有利かを見極める

・迷っている時間そのものが時効を進めていることを認識し、できるだけ早く専門家に相談する

 遡及請求が認められるかどうかは、当時の診断書をどう取得し、どう申立書と整合させるかという、申請時点での組み立て方に大きく左右されます。これは自己判断で進めるよりも、初診日の証明方法に詳しい専門家と一緒に進めた方が、取り戻せる金額の差につながりやすい分野です。

専門家に相談するメリット

 当事務所では、遡及請求が可能かどうかの見極めから、当時の病院への照会方法、診断書取得のサポート、病歴・就労状況等申立書の作成まで、時効に間に合わせることを最優先に対応しています。「昔から症状はあったが申請していない」、「何年も前に発症したが放置してしまった」という方も、まずは初診日がいつ頃だったか、当時どの病院に通っていたかを整理した上で、できるだけ早くご相談ください。 時効は待ってくれませんが、早めのご相談であれば、まだ間に合う可能性があります。

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