コラム column
「息が苦しい」不安を抱えるあなたへ ― 呼吸器疾患と障害年金
少し歩いただけで息切れする。階段を上ると呼吸が苦しくて立ち止まってしまう。常に酸素ボンベを手放せない生活――呼吸器疾患を抱えながら、こうした困難と向き合い、「このまま仕事を続けられるのか」「外出することさえ怖くなってきた」と悩んでいらっしゃるのではないでしょうか。
呼吸器疾患には、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺線維症、気管支喘息、肺気腫、間質性肺炎など、さまざまな病気があります。進行すると、日常生活の中での動作が大きく制限され、在宅酸素療法が必要になったり、少しの運動でも息切れが生じたりして、就労や外出が困難になることも少なくありません。
そんな「息苦しさと向き合う日々」を送るあなたに、知っていただきたい制度が障害年金です。これは、年金保険料を納めてきた方が、病気や障害によって生活や仕事に大きな制限を受けたときに受け取ることができる、公的な権利です。
呼吸器疾患が奪うのは「自由に動ける力」です
呼吸器疾患を抱える方が日常生活や仕事で直面する困難は、周囲が想像する以上に深刻です。
・平地を少し歩くだけで息切れし、頻繁に立ち止まって休む必要がある
・階段や坂道を避けるようになり、行動範囲が極端に狭まる
・在宅酸素療法が必要で、常に酸素ボンベを携帯しなければならない
・通勤や長時間の勤務ができず、立ち仕事や体を動かす仕事が続けられない
・風邪をひくと呼吸困難が悪化し、入院を繰り返す
・息苦しさの不安から、一人での外出や旅行を控えるようになる
さらに、見た目には分かりにくいため、「少し休めば大丈夫でしょ」、「我慢すればできるのでは」と言われ、実際の息苦しさや体力的な限界が理解されないことも大きなストレスになります。
それでも、「まだ酸素を使っていないから」、「たばこを吸っていたのは自分のせいだから」と、自分の困難さを言葉にすることをためらう方も少なくありません。
障害年金の審査では、病名ではなく「その病気によってどの程度、日常生活や労働に支障が出ているか」が重視されます。呼吸器疾患の申請では、この「息苦しさによる生活制限」を、具体的な動作や検査数値とともに伝えることが鍵になります。
なぜ呼吸器疾患の障害年金申請は難しいのか
障害年金の審査は、原則として書類のみで行われます。あなたの状態は、「診断書」や「病歴・就労状況等申立書」に書かれた情報だけで判断されます。
ところが、呼吸器疾患の障害年金申請には次のような難しさがあります。
・肺機能検査(スパイロメトリー)の数値や動脈血ガス分析の結果が、障害年金の基準とどう関係するか分からない
・「息切れ」「疲れやすい」といった主観的な症状を、どう客観的に表現すればよいか迷う
・在宅酸素療法の使用状況(安静時・労作時・24時間など)をどう説明すればよいか分からない
・申立書に「苦しい」「動けない」とだけ書いても、具体的な生活制限が伝わらない
その結果、本来は障害年金の対象となり得る状態であっても、「書類からは日常生活の制限が読み取れない」と判断され、不支給になってしまうケースもあります。
特に呼吸器疾患は、検査数値と実際の生活困難度が必ずしも一致しないため、「数値だけでは軽度に見える」場合でも、日常動作での息切れの程度を丁寧に説明する必要があります。
障害年金を扱う特定社会保険労務士として
障害年金を扱う特定社会保険労務士として、呼吸器疾患でお悩みの方の申請代行に力を入れています。単なる書類作成の代行ではなく、次のようなサポートを行います。
・発症の経緯、治療歴、入院歴、在宅酸素療法の有無、現在の症状や日常生活の様子を丁寧に聞き取る
・「どんな動作でどの程度息切れするか」、「歩行可能距離」、「階段昇降の可否」などを具体的に言葉にする
・肺機能検査、動脈血ガス分析、胸部レントゲン・CTなどの結果を踏まえ、診断書の記載ポイントを確認する
・病歴・就労状況等申立書を、「動作制限の具体例」、「在宅酸素の使用状況」、「生活への影響」が明確に伝わるように作り込む
・医師にお渡しするメモを作成し、診察時に伝え漏れがないようサポートする
呼吸器疾患は、進行性の病気も多く、「今後さらに悪化するのでは」という不安も大きいものです。
だからこそ、専門家が間に入り、現在の状態を正確に伝えながら、「制度に伝わる形」に整理していくことが大切だと考えています。
「まだ酸素を使っていないから」と我慢していませんか
呼吸器疾患の方の中には、「まだ在宅酸素療法を使っていないから障害年金の対象外では」、「少しなら歩けるから申請してはいけない」と思い込んでいる方が少なくありません。
また、「喫煙が原因の場合は対象外では」、「自分が吸っていたせいだから」という理由で、申請をあきらめている方もいらっしゃいます。
しかし、障害年金は病気の原因を問う制度ではありません。在宅酸素療法を使っている場合は受給の可能性が高まりますが、酸素を使っていなくても、肺機能検査の数値が基準を満たしている場合や、日常生活動作が大きく制限されている場合には、受給の可能性があります。COPDや肺線維症など、原因にかかわらず、現在の呼吸機能と生活制限の程度で評価されます。
・自分の肺機能の状態で障害年金の対象になるのか知りたい
・息切れで通勤や長時間の勤務ができず、退職を考えている
・在宅酸素療法を始めたばかりで、今後の生活に不安がある
・入退院を繰り返しており、仕事を続けることが困難になっている
こうした段階でのご相談も歓迎しています。あなたのペースに合わせて、体調に無理のない方法で、一つひとつ丁寧に進めていきます。
呼吸器疾患と向き合いながら、「これから」の生活を守っていくために、障害年金は大切な選択肢のひとつです。障害年金を扱う特定社会保険労務士として、あなたが一人で抱えてきた息苦しさや不安に寄り添いながら、申請の準備から提出、その後のフォローまでしっかりとサポートします。
まずは、お話を伺うところから始めます。どうぞ、お気軽にご相談ください。
障害年金及び労務に関する様々なご相談を受け付けております。