コラム column
「気分の波」に振り回される苦しさを抱えるあなたへ ― 双極性障害と障害年金
調子が良い時は何でもできる気がして、次々と行動してしまう。しかし、その後に深い落ち込みがやってきて、何もできなくなる。この激しい気分の波を繰り返しながら、「自分をコントロールできない」、「周囲に迷惑をかけてしまう」と自分を責め続けていらっしゃるのではないでしょうか。
双極性障害(躁うつ病)は、気分が異常に高揚する躁状態と、深く落ち込むうつ状態を繰り返す病気です。躁状態では、睡眠時間が短くても平気、多弁になる、衝動買いや無謀な行動をするなどの症状が現れ、うつ状態では、何もやる気が起きない、動けなくなるなどの症状に苦しみます。この気分の波によって、仕事や人間関係が壊れ、社会生活が困難になることも少なくありません。
そんな「気分の波に翻弄される日々」を送るあなたに、知っていただきたい制度が障害年金です。これは、年金保険料を納めてきた方が、病気や障害によって生活や仕事に大きな制限を受けたときに受け取ることができる、公的な権利です。
双極性障害が奪うのは「安定した日常」です
双極性障害を抱える方が日常生活や仕事で直面する困難は、周囲には理解されにくいものです。
・躁状態では、衝動的に高額な買い物をしたり、無謀な計画を立てたりして、後で後悔する
・多弁になり、周囲とトラブルを起こしてしまう
・睡眠時間が極端に短くなり、疲れているのに止まれない
・うつ状態では、起き上がることもできず、仕事や約束を守れない
・希死念慮が強くなり、生きていることそのものがつらくなる
・気分の波が激しく、安定した就労や人間関係が築けない
さらに、躁状態の時は「元気そうに見える」ため、周囲から「病気ではないのでは」、「わがままなだけ」と誤解され、実際の苦しさが理解されないことも大きな傷になります。
それでも、「調子が良い時もあるから」、「うつ病よりマシだから」と、自分の困難さを認めることをためらう方も少なくありません。
障害年金の審査では、病名ではなく「その病気によってどの程度、日常生活や労働に支障が出ているか」が重視されます。双極性障害の申請では、この「気分の波によって安定した生活が送れない苦しさ」を、具体的なエピソードとともに伝えることが鍵になります。
なぜ双極性障害の障害年金申請は難しいのか
障害年金の審査は、原則として書類のみで行われます。あなたの状態は、「診断書」や「病歴・就労状況等申立書」に書かれた情報だけで判断されます。
ところが、双極性障害の障害年金申請には次のような難しさがあります。
・診察時にたまたま躁状態だと、「元気そう」に見えてしまい、実際の困難さが医師に伝わらない
・躁状態の時の問題行動を、恥ずかしくて医師や家族に話せない
・気分の波があるため、「良い時もあるから対象外では」と自己判断してしまう
・申立書に「気分の波があります」とだけ書いても、生活への具体的な影響が伝わらない
その結果、本来は障害年金の対象となり得る状態であっても、「書類からは日常生活の制限が読み取れない」と判断され、不支給になってしまうケースもあります。
特に双極性障害は、躁状態とうつ状態の両方の症状、入院歴、服薬状況、日常生活での困難を総合的に説明する必要があります。
障害年金を扱う特定社会保険労務士として
障害年金を扱う特定社会保険労務士として、双極性障害の方の申請代行を行っています。
単なる書類作成の代行ではなく、次のようなサポートを行います。
・発症の経緯、これまでの躁状態とうつ状態のエピソード、入院歴、服薬状況を丁寧に聞き取る
・躁状態での問題行動(衝動買い、トラブル、無謀な行動など)も含めて、批判せずに整理する
・うつ状態での生活困難(起き上がれない、希死念慮など)を具体的な言葉にする
・病歴・就労状況等申立書を、「気分の波の幅」、「エピソードの具体例」、「安定した生活が送れない状況」が明確に伝わるように作り込む
・ご家族からの情報も丁寧に伺い、客観的な視点も含めて整理する
双極性障害は、ご本人が自分の状態を客観的に把握することが難しく、特に躁状態の時の記憶があいまいだったり、恥ずかしくて話せなかったりすることも多い病気です。
だからこそ、専門家が間に入り、ご本人とご家族の両方からお話を伺いながら、「制度に伝わる形」に整理していくことが大切だと考えています。
「調子が良い時もあるから」と諦めていませんか
双極性障害の方の中には、「躁状態の時は元気だから、障害年金の対象外では」、「気分の波があるのは性格の問題では」と思い込んでいる方が少なくありません。
また、「うつ病の方が重症だから」、「入院していないから無理」という理由で、申請をあきらめている方もいらっしゃいます。
しかし、双極性障害は、うつ病と同じく障害年金の対象となる精神疾患です。
躁状態とうつ状態を繰り返すこと自体が、安定した就労や生活を困難にする要因として評価されます。躁状態での衝動的な行動や判断ミス、うつ状態での生活困難、入院歴、服薬していても気分の波が抑えられないこと。これらを総合的に評価して、日常生活や就労にどの程度制限があるかが判断されます。
・自分の症状で障害年金の対象になるのか知りたい
・気分の波が激しく、安定した就労ができない
・躁状態で問題を起こし、退職や休職を繰り返している
・うつ状態が深刻で、生活そのものが困難になっている
こうした段階でのご相談も歓迎しています。調子の良いタイミングで、短時間でも構いません。ご家族だけのご相談も可能です。
双極性障害という病気と向き合いながら、「安定した生活」を取り戻していくために、障害年金は大切な経済的・精神的な支えになります。障害年金を扱う特定社会保険労務士として、あなたが一人で抱えてきた「気分の波に振り回される苦しさ」や「自分をコントロールできない自己嫌悪」に寄り添いながら、申請の準備から提出、その後のフォローまでしっかりとサポートします。
まずは、お話を伺うところから始めます。どうぞ、お気軽にご相談ください。
障害年金及び労務に関する様々なご相談を受け付けております。