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障害年金における「初診日」とは?正しく理解するための完全ガイド

障害年金を請求する際、最も重要な要件の一つが「初診日」です。初診日の特定を誤ると、年金の受給資格そのものに影響する可能性があります。本コラムでは、初診日の基本的な考え方から、実務上よくある疑問まで、わかりやすく解説します。

初診日の基本定義

初診日とは、障害の原因となった傷病について、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日のことです。一見シンプルな定義ですが、実際には様々なケースが存在します。

特殊なケースにおける初診日

以下の場合も初診日として認められます。

転医があった場合
同一の傷病で転医があった場合は、一番初めに医師等の診療を受けた日が初診日となります。

傷病名が異なる場合
傷病名が確定しておらず、対象傷病と異なる傷病名であっても、同一傷病と判断される場合は、他の傷病名での初診日が対象傷病の初診日となります。

相当因果関係がある場合
障害の原因となった傷病の前に相当因果関係があると認められる傷病があるときは、最初の傷病の初診日が対象傷病の初診日となります。

先天性疾患の場合

 ・先天性の知的障害(精神遅滞)・・・出生日

 ・先天性の心疾患、網膜色素変性症など・・・具体的な症状が出現し、初めて診療を受けた日

ケーススタディで理解を深める

ケース1 先天性の知的障害

Q 請求傷病名は「知的障害」で、初めて医療機関を受診したのは就学前ですが、いつが初診日となりますか?

A 傷病名が「先天性の知的障害」であれば、出生日が初診日となります。この場合、受診状況等証明書は不要です。ただし、頭部外傷や高熱な どが原因で知的障害となった場合は、原則として初めて医療機関を受診した日を初診日として取り扱います。

ケース2 発達障害

重要な注意点 発達障害と知的障害(精神遅滞)は異なります。

Q 請求傷病名は「発達障害(自閉症スペクトラム、注意欠陥多動性障害など)」で、療育手帳が発行されていますが、初診日は出生日となりますか?

A  初診日は、療育手帳の有無に関係なく、初めて診療を受けた日となります。発達障害の場合は、自覚症状があって初めて診療を受けた日が初診日です。なお、病歴・就労状況等申立書には出生日からの状況を記載してください。

ケース3 先天性股関節脱臼

このケースでは、状況によって初診日の判断が異なります。

 ・完全脱臼したまま生育した場合・・・出生日が初診日

 ・青年期以降に変形性股関節症が発症した場合・・・発症後に初めて診療を受けた日が初診日

Q 請求傷病名は「変形性股関節症」で、仕事中に違和感を感じて初めて受診して判明しましたが、医師からは生まれつきの傷病と言われています。この場合、初診日は出生日となりますか?

A 初診日は、初めて診療を受けた日になります。股関節症の場合、完全脱臼したまま生育した場合のみ、出生日が初診日となります。

20歳前に初診日がある方へ

20歳前に初診日がある方は、「初診日を証明する手続きの簡素化」や「病歴・就労状況等申立書の記載の簡素化」ができる場合があります。

まとめ

初診日の特定は、障害年金請求において最も重要なステップの一つです。ご自身のケースがどれに該当するか判断が難しい場合がありますが、適切な初診日の特定が、スムーズな年金請求への第一歩となります。

                                                     参考 日本年金機構

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