コラム column
「がんばれ」と言われるたびに苦しくなるあなたへ ― 統合失調症と障害年金
統合失調症と診断されてから、幻聴や被害妄想、不安感や意欲の低下と付き合いながら、何とか日常生活を続けてこられたのではないでしょうか。
周りからは「見た目は普通」に見える一方で、頭の中では常に人の声が聞こえたり、誰かに監視されているような感覚が消えなかったり、「自分はダメだ」という思いに押しつぶされそうになったりすることもあります。
「働きたい気持ちはあるのに続かない」、「家族に迷惑をかけている気がしてつらい」、そんな思いを抱えるあなたに、知っておいていただきたい制度が障害年金です。これは、これまで年金保険料を納めてきた方が、病気や障害によって生活や仕事に大きな制限を受けたときに受け取ることができる、公的な権利です。
統合失調症のつらさは「見えない部分」にこそあります
統合失調症の症状は、周囲からは非常に分かりにくいことが多い病気です。
・聞こえるはずのない声が聞こえ、常に緊張してしまう
・誰かに悪口を言われている、監視されていると感じ、外出が怖い
・考えがまとまらず、簡単な作業でもミスが続いてしまう
・強い不安や意欲の低下で、起き上がることすらつらい日がある
・約束の時間に起きられず、遅刻や欠勤を繰り返してしまう
このような症状が続けば、仕事や学校に通い続けること、家事や身の回りのことをこなすことが難しくなるのは当然です。
しかし、統合失調症の方の多くは「迷惑をかけたくない」、「甘えていると思われたくない」と、自分のつらさを言葉にする前に飲み込んでしまいがちです。
障害年金の審査では、病名だけでなく、「その症状によってどの程度生活や仕事に支障が出ているか」が重要になります。統合失調症の申請では、この“見えないつらさ”を、具体的な日常生活の場面に落とし込んで伝えることが鍵になります。
どうして一人での申請が難しいのか
障害年金の審査は、原則として書類だけで行われます。あなたの状態は、直接会って話を聞いてもらえるわけではなく、「診断書」や「病歴・就労状況等申立書」に書かれた情報を通して判断されます。
そのため、次のようなことが起こりやすくなります。
・診察のときに緊張して「大丈夫です」と言ってしまい、実際の大変さが医師に伝わっていない
・幻聴や妄想の内容を話すことに抵抗があり、症状をあいまいにしか説明していない
・申立書には「働けません」、「しんどいです」とだけ書き、具体的な生活の様子が伝わらない
結果として、実際には生活や就労が大きく制限されているにもかかわらず、書類上は「ある程度日常生活ができている」と判断され、不支給になるケースもあります。
一度不支給の通知を受けると、「やはり自分は甘えているだけなのかもしれない」と自分を責め、再挑戦する気力をなくしてしまう方も少なくありません。
障害年金を扱う特定社会保険労務士として
障害年金を扱う特定社会保険労務士として、統合失調症の方の申請代行を行っています。役割は、単に書類を作ることではありません。
・病歴やこれまでの入退院歴、就労状況、家族との生活などを、ゆっくりと時間をかけてお聞きします
・「どんなときに困るのか」、「どんな症状で休職・退職に至ったのか」を、一緒に具体的な言葉に整理します
・精神の障害の審査で重視されるポイントを踏まえながら、医師にお渡しするメモや相談事項を作成します
・病歴・就労状況等申立書を、「生活の全体像」、「支援がないとどうなるか」まで伝わる内容に仕上げます
・ご家族からのご相談にも応じ、「どのように支えていけばよいか」を一緒に考えます
「うまく話せない」、「自分では整理できない」という方こそ、専門家と一緒に言葉を紡いでいくことで、初めて制度にあなたの状況が伝わるようになります。
「まだ自分は軽いから」と感じているときこそ相談のタイミング
統合失調症の方の多くは、自分のつらさを過小評価しがちです。
「入院していないから」、「少しは働けているから」と、ご自身を障害年金とは無縁の存在だと思っている方も少なくありません。
しかし、障害年金は病名だけで決まるものではなく、「継続的にどの程度、生活や仕事が制限されているか」で判断されます。
たとえ短時間の就労であっても、体調不良で休みがちであったり、援助がなければ続けられない状態であれば、受給の可能性があるケースもあります。
・今の状態で、障害年金を検討すべきか知りたい
・休職や退職を考えており、今後の生活が不安
・以前、不支給になったが、もう一度きちんと検討したい
こうした段階でのご相談も歓迎しています。
あなたのペースに合わせて、焦らず、ていねいに話をお伺いし、制度の説明や進め方を一緒に整理していきます。
統合失調症という病気と向き合いながら、「生活」と「心」を守っていくために、障害年金は大切な選択肢のひとつです。
障害年金を扱う特定社会保険労務士として、あなたが一人で抱えてきた不安を少しでも軽くできるよう、申請の準備から提出、その後のフォローまでしっかりとサポートします。
まずは、「話してみるだけ」でもかまいません。どうぞ、お気軽にご相談ください。
障害年金及び労務に関する様々なご相談を受け付けております。