コラム column
「動くとすぐ息が苦しい」―僧帽弁狭窄症と障害年金
階段を上ると動悸が激しくなる。少し歩いただけで息切れして立ち止まってしまう。夜、横になると呼吸が苦しくなって眠れない。僧帽弁狭窄症と診断されてから、こうした症状に悩まされ、「このまま仕事を続けられるのか」「手術をするべきなのか」と不安を抱えていらっしゃるのではないでしょうか。
僧帽弁狭窄症は、心臓の僧帽弁が狭くなることで血液の流れが悪くなり、息切れ、動悸、疲労感、むくみなどの症状が現れる心臓弁膜症です。進行すると、日常生活の中での動作が大きく制限され、仕事や家事、外出などに深刻な影響が出ることも少なくありません。
そんな「心臓が弱って動けない不安」を抱えるあなたに、知っていただきたい制度が障害年金です。これは、年金保険料を納めてきた方が、病気や障害によって生活や仕事に大きな制限を受けたときに受け取ることができる、公的な権利です。
僧帽弁狭窄症の「見えない息苦しさ」を言葉にする
僧帽弁狭窄症を抱える方が日常生活で直面する困難は、周囲には理解されにくいものです。
・平地でも少し歩くと息切れし、頻繁に休憩が必要になる
・階段や坂道を避けるようになり、行動範囲が狭まった
・通勤ラッシュの電車に乗ると動悸が激しくなり、途中下車することがある
・立ち仕事や重いものを持つことができず、業務に制限が出ている
・夜間に息苦しさで目が覚め、睡眠不足で日中も疲れやすい
・急な体調悪化が怖くて、一人での外出や旅行を控えるようになった
見た目には元気そうに見えても、実際には「ちょっとした動作」が心臓に大きな負担をかけ、生活全体が制限されています。
それでも、「まだ手術をしていないから」「薬でコントロールできているから」と、自分の困難さを軽く考えてしまう方も少なくありません。
障害年金の審査では、病名ではなく「その病気によってどの程度、日常生活や労働に支障が出ているか」が重視されます。僧帽弁狭窄症の申請では、この「見えない息苦しさ、動けない制限」を、具体的な生活場面に落とし込んで伝えることが鍵になります。
なぜ僧帽弁狭窄症の障害年金申請は難しいのか
障害年金の審査は、原則として書類のみで行われます。あなたの状態は、「診断書」や「病歴・就労状況等申立書」に書かれた情報だけで判断されます。
ところが、僧帽弁狭窄症の障害年金申請には次のような難しさがあります。
・心エコーや心臓カテーテル検査の数値が、障害年金の基準とどう関係するか分からない
・「息切れ」「動悸」といった主観的な症状を、どう客観的に表現すればよいか迷う
・手術前・手術後のタイミングで、申請すべき時期を判断するのが難しい
・申立書に「苦しい」「働けない」とだけ書いても、具体的な生活の困難さが伝わらない
その結果、本来は障害年金の対象となり得る状態であっても、「書類からは日常生活の制限が読み取れない」と判断され、不支給になってしまうケースもあります。
特に心臓弁膜症は、検査数値と自覚症状が必ずしも一致しないため、「数値だけでは軽度に見える」場合でも、実際の生活が大きく制限されていることを丁寧に説明する必要があります。
障害年金を扱う特定社会保険労務士として
障害年金を扱う特定社会保険労務士として、僧帽弁狭窄症をはじめとする心臓弁膜症の方の申請代行を行っています。単なる書類作成の代行ではなく、次のようなサポートを行います。
・発症の経緯、治療歴、手術の有無、現在の症状や日常生活の様子を時間をかけて丁寧に聞き取る
・「どんな動作でどの程度息切れするか」、「どこまで動けて、どこから制限があるか」を具体的に言葉にする
・心エコーや心臓カテーテル検査の結果、NYHA分類などを踏まえ、診断書の記載ポイントを整理する
・病歴・就労状況等申立書を、「動作制限の具体例」、「仕事や生活への影響」が明確に伝わるように作り込む
・手術前後のタイミングや、症状固定の考え方など、申請時期についてもアドバイスする
僧帽弁狭窄症は、進行性の病気であり、「いつ手術をするか」、「手術後の回復はどうか」など、将来への不安も大きいものです。
だからこそ、専門家が間に入り、現在の状態を正確に伝えながら、「制度に伝わる形」に整理していくことが大切だと考えています。
「手術をすれば治るから」と我慢していませんか
僧帽弁狭窄症の方の中には、「手術をすれば良くなるはずだから、それまで我慢すればいい」、「手術待ちの状態で申請しても意味がないのでは」と思い込んでいる方が少なくありません。
また、「まだ薬でコントロールできているから」、「入院していないから」という理由で、障害年金の申請をためらう方もいらっしゃいます。
しかし、障害年金は「今、この時点での生活や就労の制限」を評価する制度です。
手術前であっても、症状が重く日常生活や仕事に大きな支障が出ている状態であれば、受給の可能性があります。また、手術後も症状が残存している場合には、継続して受給できるケースもあります。
・自分の心臓の状態で障害年金の対象になるのか知りたい
・手術を控えており、申請のタイミングについて相談したい
・通勤や勤務時間の制限があり、今後の働き方に不安を感じている
・検査結果の数値が、障害年金の基準に該当するか知りたい
こうした段階でのご相談も歓迎しています。あなたのペースに合わせて、体調に無理のない方法で、一つひとつ丁寧に進めていきます。
僧帽弁狭窄症という病気と向き合いながら、「これから」の生活を守っていくために、障害年金は大切な選択肢のひとつです。
障害年金を扱う特定社会保険労務士として、あなたが一人で抱えてきた息苦しさや不安に寄り添いながら、申請の準備から提出、その後のフォローまでしっかりとサポートします。
まずは、お話を伺うところから始めます。どうぞ、お気軽にご相談ください。
障害年金及び労務に関する様々なご相談を受け付けております。