コラム column
「見えにくい」不安と向き合うあなたへ ― 視覚障害と障害年金
文字がぼやけて読めない。段差につまずくことが増えた。夜道が怖くて一人で外出できない。視力の低下や視野の狭窄によって、こうした困難を抱えながら、「このまま仕事を続けられるのか」、「家族に迷惑をかけてしまう」と不安に思われていないでしょうか。
目の障害は、日常生活のあらゆる場面に影響を及ぼします。読み書き、移動、仕事、家事。これまで当たり前にできていたことが、少しずつ、あるいは突然できなくなっていく不安があります。
そんな「見えない、見えにくい不安」を抱えるあなたに、知っていただきたい制度が障害年金です。これは、年金保険料を納めてきた方が、病気や障害によって生活や仕事に大きな制限を受けたときに受け取ることができる、公的な権利です。
視覚障害の「見えにくさ」が奪うもの
目の障害を抱える方が日常生活や仕事で直面する困難は、周囲には想像以上に理解されにくいものです。
・パソコン画面や書類の文字が読めず、デスクワークができない
・段差や障害物に気づかず、転倒や衝突の危険がある
・暗い場所や夜間の移動が困難で、通勤や外出が制限される
・視野が狭く、人や車に気づかず危険な目にあうことがある
・調理や掃除など、家事全般に時間がかかり、できないことが増えた
・相手の表情が見えず、コミュニケーションに不安を感じる
さらに、「まだ少し見えている」、「眼鏡をかけているから大丈夫でしょ」と言われ、実際の困難さが理解されないことも大きなストレスになります。
それでも、「全盲ではないから」、「障害者手帳を持っていないから」と、自分の困難さを言葉にすることをためらう方も少なくありません。
障害年金の審査では、病名ではなく「その障害によってどの程度、日常生活や労働に支障が出ているか」が重視されます。視覚障害の申請では、この「見えない、見えにくい困りごと」を、具体的な生活場面や仕事の場面に落とし込んで伝えることが鍵になります。
なぜ視覚障害の障害年金申請は難しいのか
障害年金の審査は、原則として書類のみで行われます。あなたの状態は、「診断書」や「病歴・就労状況等申立書」に書かれた情報だけで判断されます。
ところが、視覚障害の障害年金申請には次のような難しさがあります。
・視力や視野の検査結果が、障害年金の基準とどう関係するか分からない
・矯正視力(眼鏡やコンタクト使用時)での評価が、どのように判断されるか不明瞭
・「文字が読めない」「段差が見えない」といった具体的な困難が、診断書に反映されにくい
・申立書に「見えません」とだけ書いても、仕事や生活への影響が伝わらない
その結果、本来は障害年金の対象となり得る状態であっても、「書類からは日常生活や就労の制限が読み取れない」と判断され、不支給になってしまうケースもあります。
特に視覚障害は、視力だけでなく視野の問題も大きく影響するため、検査数値と実際の生活困難度が必ずしも一致しないことを丁寧に説明する必要があります。
障害年金を扱う特定社会保険労務士として
障害年金を扱う特定社会保険労務士として、視覚障害の方の申請代行に力を入れています。単なる書類作成の代行ではなく、次のようなサポートを行います。
・発症の経緯、治療歴、視力・視野の変化、現在の見え方や日常生活の様子を時間をかけて丁寧に聞き取る
・「どんな場面で困るか」、「仕事でどんな支障があるか」を具体的な言葉に整理する
・視力検査や視野検査の結果を踏まえ、診断書の記載ポイントを確認する
・病歴・就労状況等申立書を、「移動の困難」、「読み書きの制限」、「業務への影響」が明確に伝わるように作り込む
・音声読み上げソフトの使用、電話やオンライン面談など、あなたに合った方法で対応する
視覚障害は、情報取得や移動の自由を大きく制限する障害であり、周囲からの理解を得ることが難しい障害です。だからこそ、専門家が間に入り、あなたの言葉を整理しながら「制度に伝わる形」に翻訳していくことが大切だと考えています。
「まだ少し見えているから」と我慢していませんか
視覚障害の方の中には、「全盲ではないから障害年金の対象外では」「まだ何とか生活できているから申請してはいけない」と思い込んでいる方が少なくありません。
また、「障害者手帳を持っていないから無理」、「眼鏡をかければ見えるから」という理由で、障害年金の申請をあきらめている方もいらっしゃいます。
しかし、障害年金は障害者手帳とは別の制度であり、手帳がなくても受給できる場合があります。
また、矯正視力(眼鏡やコンタクト使用時)での評価となるため、「眼鏡をかけても見えにくい」状態であれば、受給の可能性があります。さらに、視野の狭窄や暗所での見えにくさなど、視力以外の要素も総合的に評価されます。
・自分の視力や視野の状態で障害年金の対象になるのか知りたい
・パソコン作業や読み書きができず、仕事に支障が出ている
・移動が困難で通勤や外出に不安があり、退職を考えている
・視力検査や視野検査の結果が、障害年金の基準に該当するか知りたい
こうした段階でのご相談も歓迎しています。電話やオンライン面談など、あなたに合ったコミュニケーション方法で、無理なく進めていきます。
視覚障害と向き合いながら、「これから」の生活を守っていくために、障害年金は大切な選択肢のひとつです。
障害年金を扱う特定社会保険労務士として、あなたが一人で抱えてきた「見えない不安」や「理解されない孤独感」に寄り添いながら、申請の準備から提出、その後のフォローまでしっかりとサポートします。
まずは、お話を伺うところから始めます。どうぞ、お気軽にご相談ください。
障害年金及び労務に関する様々なご相談を受け付けております。