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がんで障害年金はもらえる?認定基準・転移の初診日・治療と仕事の両立を特定社会保険労務士が解説

 「抗がん剤治療で体力が落ち、休職せざるを得なくなった」、「ステージ4と診断され、今後の生活費が心配」。がんは日本人の2人に1人が罹患するといわれる身近な病気であり、障害年金の対象にもなり得る傷病です。がんというと身体障害者手帳のイメージが薄く、障害年金の対象になることを知らないまま治療を続けている方も少なくありません。

 実は、身体障害者手帳の有無にかかわらず、がんによる体力の消耗や治療の副作用、日常生活への支障の程度によって障害年金を受給できる可能性があります。

 本コラムでは、がんで障害年金を受給するための考え方、転移がある場合の初診日の考え方、治療と仕事を両立している場合の注意点を、障害年金専門の特定社会保険労務士の視点から詳しく解説します。

がんは「悪性新生物による障害」として審査される

 がんは認定基準上「悪性新生物による障害」に分類され、組織所見とその悪性度、一般検査・特殊検査・画像検査等の検査成績、転移の有無、病状の経過と治療効果等を参考に、具体的な日常生活状況等により総合的に認定されます。血液・造血器疾患やがん以外の内部障害と同様、一般状態区分表が重要な判断材料になります。

  • ア:無症状で社会活動ができ、発病前と同等にふるまえるもの

  • イ:軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが歩行・軽労働や座業はできるもの

  • ウ:歩行や身の回りのことはできるが、時に介助が必要で、軽労働はできず、日中の50%以上を起居して過ごすもの

  • エ:身の回りのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上就床し、自力での屋外への外出がほぼ不可能なもの

  • オ:身の回りのこともできず、常に介助が必要で、終日就床を強いられ、活動範囲がベッド周辺に限られるもの

 さらに認定基準では「当該疾病の認定の時期以後、少なくとも1年以上の療養を必要とするものであって、長期にわたる安静を必要とする」ことが前提とされており、単に「がんと診断された」というだけでなく、治療の継続性や体力の消耗度合いが総合的に評価されます。

がん特有の初診日の考え方。転移と相当因果関係

 がんの申請で特に重要なのが「転移」がある場合の初診日の考え方です。認定基準では、転移性悪性新生物について、原発とされるがんと組織上一致するなど転移であることが確認できたものは「相当因果関係」があるものと認められます。

 相当因果関係とは、前の病気がなければ後の病気は発生しなかったであろうという関係のことで、この関係が認められる場合、転移後のがんではなく、最初に診療を受けた原発がんの受診日が初診日として扱われます。

 たとえば大腸がんが肺に転移したケースでは、肺がんとして再受診した日ではなく、最初に大腸がんの診療を受けた日が初診日になる可能性が高いということです。この考え方は、初診日時点の年金加入状況や保険料納付要件の判定に直結するため、非常に重要な論点です。

 また、がんの診断によるショックから二次的にうつ病を発症したようなケースでも、医学的な因果関係があるだけでは足りず、制度上の「相当因果関係」が認められるかどうかが初診日判断の分かれ目になります。

治療しながら働いている場合でも対象になり得る

 がんの治療を受けながら仕事を続けている方も多くいらっしゃいますが、就労していることが直ちに障害年金の対象外を意味するわけではありません。抗がん剤治療による強い倦怠感、免疫力低下による感染リスクの管理、頻繁な通院など、外からは見えにくい負担が生活と就労にどれだけ影響しているかを、一般状態区分や病歴・就労状況等申立書で具体的に伝えることが重要です。

 特にステージが進んでいる場合や、複数臓器への転移がある場合は、治療の継続性・体力の消耗度が総合的に評価されるため、就労中であっても等級に該当する可能性を検討する価値があります。

申請で特に重要な3つのポイント

転移の有無と初診日の整理
 転移がんの場合、原発がんの初診日を正確に特定できるかどうかが申請の出発点になります。複数の医療機関を経由している場合は特に慎重な整理が必要です。

一般状態区分に沿った生活実態の記載
 抗がん剤治療の副作用(倦怠感、吐き気、しびれ等)や、通院頻度、日常生活での介助の必要性を、診断書と申立書の双方に具体的に反映させることが等級判断に直結します。

二次的な精神疾患との関係整理
 がんの診断や治療の過程でうつ病等を発症した場合、その因果関係が制度上の「相当因果関係」に該当するかどうかを慎重に見極める必要があります。

社労士事務所アシストにご相談いただくメリット

 がんの障害年金請求は、転移の有無による初診日の考え方や、外見からは分かりにくい治療の負担をいかに正確に伝えるかが結果を左右する分野です。社労士事務所アシストでは、特定社会保険労務士が受診歴の整理から診断書内容の確認、治療と生活への影響の伝え方まで一貫してサポートいたします。

よくある質問(FAQ)

Q. がんの治療をしながら働いていますが、それでも申請できますか?
A. 可能です。就労の有無ではなく、治療による負担や日常生活への影響の程度が総合的に判断されます。

Q. 転移がある場合、初診日はいつになりますか?
A. 原発がんと組織上一致し転移と確認できる場合は、最初に原発がんの診療を受けた日が初診日になる可能性が高いです。

Q. がんのショックでうつ病になりました。どちらの傷病で申請すればよいですか?
A. 医学的な関連があるだけでは不十分で、制度上の「相当因果関係」が認められるかどうかを慎重に判断する必要があります。

まずは無料相談で、治療の経過と現在の生活状況をお聞かせください。

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