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圧迫骨折が治っても痛みと動きにくさが残る|障害年金の対象になるのはどんなとき?特定社労士を解説

 「くしゃみをしただけなのに、背中に激痛が走った」。圧迫骨折は、そんな些細なきっかけで起こることがあります。骨折自体は時間とともに治っても、痛みや背中の変形が残り、仕事や家事に支障が出る方がいます。

 障害年金の申請をお手伝いしている社労士事務所アシストから、圧迫骨折と障害年金の関係を、詳しくお伝えします。

圧迫骨折とは

 背骨(脊椎)は、椎体という骨がいくつも積み重なってできています。圧迫骨折は、この椎体が押しつぶされるように折れる骨折です。

 最も多い原因は骨粗鬆症です。骨が弱くなっていると、軽い尻もち、くしゃみ、重い物を持ち上げる動作でも起こります。多くは後方へ転倒して尻もちをついたときに生じます。

 症状は、寝返り、起き上がり、立ち上がり、前かがみなどで、背中や腰に強い痛みが出ることです。一方で、痛みが軽く、気づかないうちに骨折していて、後からレントゲンで分かる場合もあります。椎体が大きくつぶれて脊柱管を圧迫すると、足のしびれや筋力低下、排尿・排便の障害が出ることもあります。

 治療の基本は保存療法です。安静、痛み止め、コルセット、リハビリを行います。骨折部は受傷後1か月ほど不安定なため、特に注意が必要です。痛みが強く動けない状態が続く場合には、経皮的椎体形成術という選択肢もあります。神経障害が出た場合には、手術が必要になることがあります。

 また、骨折の治療後も、骨粗鬆症の治療を続けることが、再骨折の予防として重要です。

障害年金の対象になる「残り方」

 障害年金が見るのは、骨折したという事実ではありません。治療を尽くしても残った障害の程度です。骨折の直後に痛みが強くても、治療で改善すれば、障害年金の対象にはなりません。

 圧迫骨折は、肢体の障害のうち「体幹・脊柱の機能の障害」として評価されます。肢体の障害は、「上肢」「下肢」「体幹・脊柱の機能」「肢体の機能」の4つに区分して認定されます。

 ここで、注意していただきたい点があります。体幹の障害には、「座っていることができない」、「立ち上がることができない」、「歩くことができない」といった重い基準が示されています。これは、主に高度な体幹麻痺を想定した基準で、一般的な圧迫骨折にそのまま当てはまるものではありません。

 圧迫骨折で見られるのは、背骨の動きの制限と、体を支える力(荷重機能)の低下です。

評価される3つのポイント

1. 背骨の動く範囲(可動域)
3級に当たる「脊柱の機能に著しい障害を残すもの」は、明らかな器質的変化があり、背骨の動く範囲が、基準の2分の1以下に制限された場合です。

2. 日常生活動作
診断書では、次のような動作が、一人でできるかどうかが確認されます。ズボンやスカートの着脱、靴下を履く、座る、深くおじぎをする、立ち上がる、などです。

3. 神経症状の有無
しびれ、まひ、排尿・排便の障害を伴う場合は、その症状も含めて総合的に判断されます。

 3級は、障害厚生年金のみの対象です。動く範囲の制限がやや軽い場合は、障害手当金(一時金)に該当する可能性がありますが、これも厚生年金の加入者が対象です。障害年金の等級は、身体障害者手帳の等級とは別に判断されます。

数字に表れない毎日の不自由

 診断書には、背骨の可動域の数値が書かれます。けれども、数字だけでは見えないものがあります。朝、起き上がるまでに時間がかかる。靴下を履くのに壁に寄りかかる。荷物が持てず、買い物を家族に頼んでいる。長く立っていられず、仕事を時短にした。

 こうした日々の不自由さは、「病歴・就労状況等申立書」で具体的に伝えることで、診断書の内容に厚みが出ます。コルセットを使っているなら、毎日の着用時間や、外した場合の症状も書いておくと、状態が伝わります。

診断書(肢体の障害用)で確認すること

 診断書は、肢体の障害用の様式を使います。次の点が記載されているかを確認します。

  • 背骨の可動域(前屈・後屈・左右屈・回旋)

  • 日常生活動作の状況(上記の動作ができるか)

  • 補助具(コルセット、杖、歩行器など)の使用状況

  • 画像所見(何か所の骨折か、変形の程度)

  • 神経症状の有無

 骨折が複数箇所で、変形が進んでいる場合は、その状態を正確に診断書に反映してもらうことが大切です。

初診日と3つの要件

 障害年金には、次の3つの要件があります。

  • 初診日要件:その病気やケガで初めて医師の診察を受けた日が、年金制度に加入している期間内であること

  • 保険料納付要件:初診日の前日の時点で、原則として加入期間の3分の2以上の保険料が納付または免除されていること。現在は特例として、初診日の前々月までの直近1年間に未納がなければ満たす場合もあります(65歳未満の方が対象です)。20歳前に初診日がある場合は、納付要件は問われません。

  • 障害認定日要件:初診日から1年6か月を経過した日に、障害等級に該当する状態であること

 圧迫骨折では、初診日の整理が重要になります。転倒して整形外科を受診した日が基本ですが、骨粗鬆症で先に通院していた場合や、気づかないうちに骨折していた場合は、どの日が初診日に当たるかの判断が必要です。

 障害認定日の時点で請求しなかった場合も、現在の状態で請求する「事後重症請求」ができる場合があります。

障害年金と労災は別の制度です

 仕事中や通勤中の骨折であれば、労災保険の障害等級認定もあります。労災と障害年金は、基準が別物で、併給の調整も行われます。どちらをどの順で請求するかによって、受け取れる金額が変わることもあります。こうした制度の組み合わせの整理は、特定社会保険労務士の得意分野です。

よくあるご質問

高齢でも申請できますか。
申請できる場合があります。年金の加入状況によって、受給できる年金の種類が変わります。

骨粗鬆症が原因でも対象になりますか。
原因が骨粗鬆症でも、対象外にはなりません。障害の状態で判断されます。

骨折は1か所だけですが、申請できますか。
1か所でも、変形や可動域の制限が基準に達していれば、対象になり得ます。ただし、基準に達するかどうかは、診断書の内容次第です。

まずはお気軽にご相談ください

 社労士事務所アシストでは、初回相談を無料で承っています。受給できるかどうかは日本年金機構が判断するため、結果のお約束はできません。それでも、現在の状態が基準に近いかどうかを、診断書を取る前に確認できます。

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