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後縦靱帯骨化症で手足のしびれ・歩きにくさがあるなら|障害年金の考え方を特定社労士が解説

 「ボタンがかけにくい」、「箸が使いづらい」、「階段で足がもつれる」。そんな変化が少しずつ進み、診察の結果、後縦靱帯骨化症と告げられた。指定難病という言葉に、将来への不安を覚えた方も多いでしょう。

 障害年金の申請をお手伝いしている社労士事務所アシストから、後縦靱帯骨化症で障害年金を考える際のポイントを、詳しくお伝えします。

後縦靱帯骨化症とは

 背骨(椎骨)の後ろ側を、上下に連結して縦に走る靱帯が、後縦靱帯です。この靱帯が骨のように硬くなる(骨化する)と、脊髄が通る脊柱管が狭くなり、脊髄や神経根が圧迫されます。その結果、感覚障害や運動障害などの神経症状が起こります。

 骨化する場所によって、頚椎・胸椎・腰椎の後縦靱帯骨化症と呼ばれます。頚椎に最も多く、指定難病に指定されています。

症状の現れ方は、次のようにさまざまです。

  • 手指の細かい作業がしにくい(ボタンかけ、箸、書字)

  • 手足のしびれや脱力

  • 階段が下りにくい、歩行がふらつく

  • 進行すると、排尿・排便の障害

 原因は一つに特定されていません。遺伝的な素因、性ホルモンの異常、カルシウム・ビタミンDの代謝異常、糖尿病、肥満傾向、老化現象などが関係すると考えられています。

 治療は、症状が軽い間は、頚椎カラーなどの装具による安静や、消炎鎮痛剤などの薬物療法が中心です。症状が重度の場合や進行する場合には、手術が検討されます。転倒をきっかけに症状が急に悪化することがあるため、転倒の予防と定期的な経過観察が大切です。

指定難病=障害年金 ではありません

 難病の医療費助成を受けていても、障害年金が自動的に受けられるわけではありません。医療費助成と障害年金は、まったく別の制度です。障害年金は、診断書に書かれた障害の程度で審査されます。

 逆に、医療費助成の対象にならない軽症の方でも、日常生活や仕事に大きな支障があれば、障害年金を申請できます。

障害年金での考え方

 後縦靱帯骨化症による障害は、脊柱管の狭窄に伴う、脊髄や神経根の圧迫によって生じます。そのため、主に「肢体の機能の障害」の認定基準を用いて評価されます。脊髄の圧迫で、手足に広く障害が出ている場合は、「肢体の機能の障害」としてまとめて認定されます。

 等級の目安は、次のとおりです。

  • 1級:日常生活の用を弁ずることができない程度

  • 2級:日常生活が著しい制限を受ける程度

  • 3級:労働が著しい制限を受ける程度

 3級は、障害厚生年金のみの対象です。症状は一人ずつ異なるため、実際の身体の状態を、認定基準に照らして個別に検討する必要があります。

診断書で見られる点

 この病気の診断書で、特に重要なのは次の点です。

手指の細かい動作(巧緻性)
 ボタンかけ、箸の使用、書字、小さなものをつまむ動作などの様子です。ここが、等級の判断を左右することがよくあります。

歩行・起立の状態
杖や手すりの使用、転倒の頻度、階段の昇降、長い距離を歩けるかどうかです。

排尿・排便の障害
膀胱直腸障害の有無と程度です。

日常生活動作(ADL)
着替え、入浴、食事、トイレなどで、介助が必要かどうかです。

手術後の経過
手術を受けた場合は、術後もしびれやまひが残っているか、改善したかどうかです。

しびれは、日によって程度が変わります。調子の良い日に診察を受けると、実際より軽く伝わってしまうことがあります。普段の生活で困っていることを、メモにして医師に伝えておくことが大切です。

進行する病気だからこそ

 後縦靱帯骨化症は、進行する場合がある病気です。申請時は2級でも、その後に症状が悪化して1級に相当する状態になれば、「額改定請求」によって年金額を見直せる場合があります。65歳以降でも請求が可能とされています。

 そのため、症状が軽いうちから、経過の記録を残しておくことが役に立ちます。いつ、どの症状が、どのように変わったのか。受診した医療機関、手術の日付、装具を使い始めた時期などを、メモにしておくと、後の手続きがスムーズです。

初診日は慎重に

 障害年金は、初診日を基準に認定されます。首の痛みやしびれで、最初に医師の診察を受けた日が、初診日の候補です。

 注意したいのは、接骨院、整骨院、整体院、鍼灸院などへの通院です。これらは医療機関ではないため、初診日としては扱われません。ここを見落とすと、初診日を誤って申告してしまうことがあります。

 初診日の証明には、初診の医療機関に「受診状況等証明書」を書いてもらうのが原則です。カルテの保存期間(一般に5年)が過ぎていると、証明が難しくなる場合があります。時間がたつほど、書類は集めにくくなります。

3つの要件と手続きの流れ

 障害年金には、次の3つの要件があります。

  • 初診日要件:その病気で初めて医師の診察を受けた日が、年金制度に加入している期間内であること

  • 保険料納付要件:初診日の前日の時点で、原則として加入期間の3分の2以上の保険料が納付または免除されていること。現在は特例として、初診日の前々月までの直近1年間に未納がなければ満たす場合もあります(65歳未満の方が対象です)。20歳前に初診日がある場合は、納付要件は問われません。

  • 障害認定日要件:初診日から1年6か月を経過した日に、障害等級に該当する状態であること

 手続きは、初診日の確認、受診状況等証明書の取得、診断書の依頼、病歴・就労状況等申立書の作成、年金事務所等への提出の順に進みます。審査には数か月かかるのが一般的です。結果に納得できない場合は、決定を知った日の翌日から3か月以内に、審査請求(不服申立て)ができます。

 障害基礎年金の年額は、令和8年度で、1級が1,059,125円、2級が847,300円です。

よくあるご質問

手術で改善した場合は、申請できませんか。
手術後の状態で等級が判断されます。しびれやまひが残っていれば、申請の対象になり得ます。

働きながら申請できますか。
働いていても、仕事内容や職場での配慮の状況、症状の程度を踏まえて総合的に判断されます。

症状が軽い場合でも相談できますか。
もちろんです。現時点で基準に達していなくても、将来の進行に備えて、記録の残し方や、申請のタイミングを相談できます。

まずはお気軽にご相談ください

 社労士事務所アシストでは、初回相談を無料で承っています。受給できるかどうかは日本年金機構が判断するため、結果のお約束はできません。

 しかし、症状の変化を時系列で整理し、診断書に必要な情報を医師に伝えるお手伝いはできます。

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