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抗リン脂質抗体症候群でも障害年金の対象になることをご存知ですか 

 抗リン脂質抗体症候群(APS)は、血栓症を繰り返しやすい自己免疫疾患です。脳梗塞や深部静脈血栓症、肺塞栓症などを引き起こすことがあり、若い世代でも発症することがあります。

 「見た目には分かりにくい病気だから、障害年金とは関係ないのでは」と思われる方も少なくありません。しかし、抗リン脂質抗体症候群は、後遺症や再発予防のための治療によって生活や仕事に支障が出ることがあり、条件を満たせば障害年金の対象となります。

抗リン脂質抗体症候群とはどのような病気か

 抗リン脂質抗体症候群は、自己抗体の影響で血液が固まりやすくなり、血栓ができやすくなる病気です。原発性の場合もありますが、全身性エリテマトーデスなどの膠原病に合併して発症することもあります。

 血栓ができる場所によって症状は大きく異なり、脳血管に起これば脳梗塞や一過性脳虚血発作、足の静脈に起これば深部静脈血栓症、肺に起これば肺塞栓症などを起こします。症状が急激で重い場合もあれば、再発を繰り返して徐々に生活が制限される場合もあります。

 妊娠中の流産や早産などの妊娠合併症を繰り返す方もおり、身体面だけでなく将来設計にも大きな影響を及ぼす病気です。

なぜ障害年金の対象になり得るのか

 障害年金は、病名だけで受給可否が決まる制度ではありません。大切なのは、病気や治療の結果として、どの程度生活や仕事に支障が出ているかです。

 抗リン脂質抗体症候群では、血栓症の後遺症によって手足の麻痺やしびれが残ることがあります。 また、言語障害、視野障害、歩行障害、息切れ、疲れやすさなどが続く場合もあります。抗凝固療法を継続している方では、定期的な通院や採血、服薬管理が必要になり、勤務時間や仕事内容に制限が生じることがあります。

 このような生活上の制限は、障害年金の審査で非常に重要です。外見上は元気に見えても、実際には仕事を続けることが難しくなっている方は少なくありません。

抗リン脂質抗体症候群で問題になりやすい生活上の支障

 抗リン脂質抗体症候群の患者様が障害年金を検討する際には、病名そのものよりも、発症後に残る生活上の困難を整理することが大切です。

脳梗塞や脳血管障害の後遺症

 脳梗塞を起こした場合、片麻痺、手足の動かしにくさ、言語障害、記憶力や集中力の低下などが残ることがあります。こうした後遺症があると、通勤、家事、対人対応、事務作業などに大きな影響が出ます。

 特に、仕事でのパソコン操作や電話対応、接客などを継続することが難しくなるケースもあり、職場復帰しても以前と同じ働き方ができないことがあります。

深部静脈血栓症や肺塞栓症による制限

 深部静脈血栓症では、足の腫れや痛み、重だるさが続き、長時間の立位や歩行がつらくなることがあります。肺塞栓症では、息切れや胸痛、動悸などの症状が残り、体力を要する仕事や外出が難しくなることがあります。

 再発予防のために抗凝固療法を続ける必要がある場合、日常生活ではけがや出血への注意も必要になり、スポーツや力仕事に制限が生じることもあります。

妊娠・出産への影響

 抗リン脂質抗体症候群は、妊娠中の流産や早産のリスクを高めることがあります。そのため、将来の出産を考える方にとっては、身体面だけでなく精神面にも大きな負担となります。

 治療や妊娠管理により、仕事の継続や生活設計が難しくなることもあり、若い女性にとっては非常に深刻な問題です。

障害年金の審査で重視されるポイント

 抗リン脂質抗体症候群で障害年金を申請する場合、審査では次のような点が重視されます。

・どのような血栓症を起こしたのか。

・後遺症として、麻痺、しびれ、言語障害、視野障害などが残っているか。

・抗凝固療法や抗血小板療法を継続しているか。

・通院や採血がどの程度必要か。

・日常生活や仕事にどのような制限があるか。

・再発への不安や体調不良が生活に影響していないか。

 診断書だけでは伝わりにくいことも多いため、病歴・就労状況等申立書で補足することが非常に重要です。特に、症状に波がある場合や、発症時と現在で状態が変わっている場合は、その経過を丁寧に整理する必要があります。

自己判断で申請をあきらめやすい病気です

 抗リン脂質抗体症候群は、外見からは分かりにくい病気です。血栓症の既往があっても、見た目には大きな障害がないように見えるため、「障害年金の対象にはならないだろう」と考えてしまう方が少なくありません。

 しかし、実際には再発予防のための治療を継続しながら、仕事や家事、育児に大きな制限が生じていることがあります。特に、脳梗塞や肺塞栓症など重い発症歴がある場合は、後遺症と生活の支障をきちんと整理することで、受給の可能性が見えてくることがあります。

初診日の確認がとても重要です

 障害年金では、最初に医師の診療を受けた日、いわゆる初診日が非常に重要です。抗リン脂質抗体症候群の場合、最初の症状がどの血栓症だったのか、どの医療機関を最初に受診したのかを丁寧に確認する必要があります。

 また、初診日に国民年金に加入していたのか、厚生年金に加入していたのかによって、障害基礎年金か障害厚生年金かが変わります。さらに、保険料納付要件の確認も必要です。こうした確認は、ご本人だけでは難しいことが多く、専門的な整理が欠かせません。

申請前に整理しておきたいポイント

 抗リン脂質抗体症候群で障害年金を検討する際には、次の点を整理しておくと、申請準備が進めやすくなります。

・初診日はいつか。

・どの血栓症を起こしたか。

・後遺症としてどのような症状が残っているか。

・抗凝固療法や抗血小板療法を継続しているか。

・通院頻度や採血の必要性はどの程度か。

・仕事や家事にどのような影響があるか。

・妊娠・出産や将来設計にどのような制限があるか。

 こうした情報を一つずつ整理していくことで、診断書や申立書の内容がより具体的になり、審査に伝わりやすくなります。

患者様・ご家族へ

 当事務所では、特定社会保険労務士として、抗リン脂質抗体症候群のように血栓症や妊娠合併症を繰り返しやすい病気についても、初診日の確認から診断書の確認、病歴・就労状況等申立書の作成まで丁寧にサポートいたします。

 障害年金は、病名だけで決まるものではありません。実際の生活の困難さを、審査に伝わる形で整理することが大切です。

 「自分の場合は対象になるのか分からない」、「どこから始めればいいか分からない」という段階でも、まずはご相談ください。ご本人だけでなく、ご家族からのご相談も歓迎しております。

初回申込相談・訪問は無料です。

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