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緑内障・視覚障害の障害年金|「見えにくさ」を正しく等級に反映する方法を練馬区の特定社労士が解説

「視力があるから対象外」という思い込み

 緑内障などによる視覚障害でご相談にいらっしゃる方の多くが、「視力検査の数字がそこまで悪くないから、障害年金の対象にはならないだろう」と思い込んでいます。しかし、視覚障害の障害年金は「視力障害」と「視野障害」という2つの側面から審査され、いずれか該当する基準で等級が認定されます。つまり、視力そのものはある程度保たれていても、視野が大きく欠けていることで2級以上に認定されるケースが少なくないのです。

 この「視力は普通なのに、視野だけが大きく制限されている」という状態が、緑内障をはじめとする視野障害系の疾患で最も見落とされやすいポイントです。

対象となるのは緑内障だけではありません

 視覚障害による障害年金の対象は、緑内障に限りません。網膜色素変性症、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性、視神経萎縮など、視力や視野に持続的な制限をもたらす目の疾患は幅広く対象となります。特に網膜色素変性症は進行性で視野狭窄が徐々に進むため、緑内障と同様に「視力は保たれているのに視野だけが欠けていく」という経過をたどることが多く、同じ考え方で審査されます。

視力障害の等級の目安(令和4年1月1日改正後の基準)

 視力障害の等級は、矯正視力(眼鏡やコンタクトレンズで矯正した後の視力)を基準に判断されます。令和4年1月1日の認定基準改正により、それまでの「両眼の視力の和」による判定から、「良い方の眼の視力」を基準とする方式に変更されており、現在は次のとおり等級の目安が定められています。

  • 1級:良い方の眼の視力が0.03以下のもの、または良い方の眼の視力が0.04かつ他方の眼の視力が手動弁以下のもの

  • 2級:良い方の眼の視力が0.07以下のもの、または良い方の眼の視力が0.08かつ他方の眼の視力が手動弁以下のもの

  • 3級(障害厚生年金のみ):良い方の眼の視力が0.1以下のもの

 この改正は、片方の視力は大きく低下していても、もう片方の視力が保たれているために旧基準の「両眼の視力の和」で計算すると等級に該当しなくなってしまう、という課題を是正するために行われたものです。以前に旧基準で不支給・非該当と判断された経験がある方も、現在の基準ではあらためて該当する可能性がありますので、確認する価値があります。

自動視野計による視野障害の等級の目安

 自動視野計による測定では、両眼開放視認点数が70点以下かつ両眼中心視野視認点数が20点以下であれば1級、両眼開放視認点数が70点以下かつ両眼中心視野視認点数が40点以下であれば2級、両眼開放視認点数が70点以下であれば3級が目安とされています。ゴールドマン型視野計を用いる場合は、周辺視野角度や中心視野角度を用いた別の基準が設けられており、こちらでも同様に1級から3級までの目安が定められています。視力障害の基準と視野障害の基準は別々に判定され、いずれか重い方の等級が採用される仕組みになっているため、視力の数値だけを見て「対象外」と判断するのは早計です。

「見えている部分もある」ことが不利にならないように

 緑内障などの視野障害では、中心部分の視力は保たれていても、周辺視野が大きく欠けているために、階段や段差でつまずきやすい、人や物にぶつかりやすい、夜間や暗い場所での歩行が特に危険、といった生活上の困難を抱えている方が多くいらっしゃいます。視力検査の数値だけを見ると軽度に見えても、実際の生活はとても危険と隣り合わせであるにもかかわらず、その実態が申立書に十分反映されず、正当な評価を受けられていないケースが少なくありません。

身体障害者手帳の等級とは基準が異なります

 視覚障害をお持ちの方の中には、すでに身体障害者手帳をお持ちの方も多くいらっしゃいますが、身体障害者手帳の等級と障害年金の等級は、それぞれ別の基準に基づいて判定されるため、必ずしも一致しません。「手帳は2級だから年金も2級だろう」という思い込みで申請を進めると、実際の審査結果と食い違うことがあります。障害年金の診断書は、日本年金機構が定める「眼の障害用」の様式で、視力・視野それぞれについて専門的な検査結果を記載してもらう必要があります。

初診日の考え方で注意したいこと

緑内障や網膜色素変性症は自覚症状が乏しいまま進行することが多く、健康診断や人間ドックで指摘されて初めて眼科を受診するケースが少なくありません。この「異常を指摘されて初めて眼科を受診した日」が初診日として扱われるため、健診結果や紹介状などの記録を大切に保管しておくことが、後の請求手続きをスムーズにする鍵になります。

「働いているから対象外」も誤解です

 視覚障害があっても、周囲のサポートや工夫によって仕事を続けている方は多くいらっしゃいます。しかし、「働けているのだから障害の程度は軽いはずだ」という評価は誤りです。実際には、通勤や業務のたびに強い緊張や危険を伴いながら、なんとか就労を続けているケースが少なくありません。就労の有無だけで諦めず、まずは視野・視力の検査結果を確認したうえでご相談いただくことをお勧めします。

よくあるご質問

Q. 進行性の病気ですが、今の検査結果で申請して大丈夫ですか。
現時点の検査結果に基づいて審査されますが、進行性の疾患であることを踏まえ、将来的に状態が悪化した場合は事後重症請求で改めて申請することも可能です。

Q. 視力と視野、両方とも基準に達していない場合はどうなりますか。
視力・視野のいずれか一方でも基準に該当すれば、その等級で認定される可能性があります。両方を漏れなく検査結果に基づいて確認することが重要です。

社労士事務所アシストに依頼するメリット

 当事務所では、眼科での検査結果(視力・視野の両方)を丁寧に確認し、視力と視野のどちらの基準で申請するのが適切かを判断したうえで、日常生活における具体的な危険や制限が申立書に正確に反映されるようサポートいたします。就労を続けながらの申請実績もございますので、諦める前にぜひ一度ご相談ください。

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