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ALS(筋萎縮性側索硬化症)の障害年金|複数の障害を「併合認定」で正しく評価してもらう方法を練馬区の特定社労士が解説

進行の速さに、手続きが追いつかないという現実

 ALSは、手足の筋力低下から始まり、やがて呼吸や嚥下(飲み込み)の機能にまで影響が及ぶ、進行の早い神経難病です。診断を受けたご本人やご家族は、日々変化していく症状への対応に追われ、「障害年金の手続きまで手が回らない」という状況に陥りがちです。しかし、ALSは進行性であるからこそ、できるだけ早い段階から準備を始めることが、適正な等級での受給につながります。

ALSはどのような経過をたどる病気か

 ALSは運動神経が徐々に障害されていく病気で、初期には手や足の一部の筋力低下やつっぱり感から始まり、進行とともに歩行困難、上肢の筋力低下、言葉が出にくくなる構音障害、飲み込みにくさ(嚥下障害)、さらには呼吸筋の麻痺による呼吸機能の低下へと広がっていきます。症状の現れ方や進行の速さには個人差がありますが、多くの場合、複数の身体機能に同時並行で影響が及んでいく点が、他の肢体の障害とは異なる特徴です。指定難病に認定されており、医療費助成の対象にもなっていますが、この医療費助成の制度と障害年金は別の制度であるため、両方を漏れなく活用することが生活の安定につながります。

複数の障害が同時に進行する病気だからこその「併合認定」

 ALSの障害年金審査では、「肢体の障害」(上肢・下肢の筋力低下、麻痺による日常動作の困難さ)、「呼吸器の障害」(呼吸筋麻痺による呼吸機能の低下、人工呼吸器の使用)、「言語・そしゃく嚥下の障害」(球麻痺による構音障害・嚥下困難)という複数の障害区分にまたがって症状が現れることが少なくありません。この場合、それぞれの障害区分ごとに認定される等級を組み合わせて評価する「併合認定」というルールが適用されます。日本年金機構は「併合判定参考表」という基準に沿って、それぞれの障害の活動能力減退率を踏まえた併合認定を行うため、単一の障害区分だけを見て「まだこの程度だから軽い等級だろう」と判断するのは早計です。複数の障害が組み合わさることで、単独では該当しない等級に認定される可能性があります。

「まだ歩けるから」と申請を先延ばしにしていませんか

 ALSは症状の進行が早いため、診断された当初は「まだ自分で歩ける」、「まだ話せる」という状態であっても、数か月後には大きく状態が変わっていることがあります。障害認定日(初診日から1年6か月後)を待たずに、症状の悪化に応じて改めて請求できる「事後重症請求」の仕組みを理解しておくとともに、進行に応じて診断書の内容を継続的に見直していく視点が欠かせません。進行の早い病気であるほど、「まだ早い」と先延ばしにすることで請求の機会そのものを逃してしまうリスクが大きくなります。

初診日はいつになるのか

 ALSは、手のしびれや軽い脱力感といった漠然とした症状で、最初は整形外科や内科を受診し、その後の経過観察や検査を経て神経内科でALSの診断が確定するというケースが多く見られます。この「症状で最初に医療機関を受診した日」が初診日として扱われるため、確定診断がついた神経内科の受診日ではなく、それ以前の受診歴を正確に振り返る必要があります。初診日の証明は保険料納付要件の判定にも直結するため、古いカルテや診察券、お薬手帳などの記録を早めに確認しておくことをお勧めします。

人工呼吸器・胃ろうの導入と、更新時に注意したいこと

 ALSが進行すると、呼吸を補助する人工呼吸器(非侵襲的陽圧換気療法や気管切開下での人工呼吸)や、栄養摂取のための胃ろうの造設が必要になる方がいらっしゃいます。こうした医療的な処置の導入は、それぞれ「呼吸器の障害」「そしゃく嚥下の障害」の評価に直結する重要な情報です。また、障害年金を受給した後も、症状の進行に応じて定期的に提出する診断書(障害状態確認届)の内容が更新されていきます。症状が重くなっているにもかかわらず、診断書の記載が更新前の状態のままになっていると、実態より軽い等級のまま据え置かれてしまう可能性があるため、進行段階に応じた診断書の見直しが欠かせません。

複数の診療科にまたがる情報を、漏れなく集める難しさ

 ALSは神経内科だけでなく、呼吸器内科、リハビリテーション科、耳鼻咽喉科(嚥下機能の評価)など複数の診療科での診療記録が関わってくることが多く、どの情報を、どのタイミングで、どの診断書に反映してもらうべきかの判断が難しい疾患です。ご本人やご家族だけで全体像を整理するのは大きな負担になります。特に、人工呼吸器の導入や胃ろうの造設といった処置は、それぞれ等級評価に大きく関わる重要な情報であるため、漏れなく診断書に反映されているかを確認する必要があります。

ご家族の負担が大きい病気だからこそ、早めのご相談を

 ALSは、症状の進行に伴ってご本人の身体的な負担が増すだけでなく、介護や意思疎通の支援を担うご家族の負担も日に日に大きくなっていく病気です。手続きに割ける時間や気力が限られている中で、複雑な障害年金の申請をご家族だけで進めるのは、大きな精神的負担になります。だからこそ、専門家に手続きを任せることで、ご本人とご家族が治療とケアに専念できる環境を整えることが重要だと考えています。

よくあるご質問

Q. 診断直後で、まだ症状が軽い場合でも申請の準備はできますか。
できます。進行性の病気であるからこそ、初診日の確認や保険料納付要件のチェックなど、早い段階からできる準備があります。

Q. 人工呼吸器を使い始めたら、どのタイミングで請求すればよいですか。
人工呼吸器の使用開始は等級評価に大きく影響する要素です。使用開始のタイミングと診断書の記載内容を照らし合わせて、適切な請求時期をご案内します。

Q. すでに障害年金を受給していますが、症状が進行した場合はどうすればよいですか。
障害状態確認届の提出時に、進行後の状態が正確に反映されているかを確認することが重要です。等級の見直し(増額改定請求)が可能な場合もあります。

社労士事務所アシストに依頼するメリット

 当事務所では、複数の障害区分にまたがるALSの症状を整理し、併合認定によって適正な等級評価を受けられるよう、診断書の取得先や記載内容の調整をサポートいたします。また、受給後の更新時にも、進行段階に応じた診断書の見直しをご案内し、継続的にサポートいたします。進行の速さに対応できるよう、迅速なご相談・手続きを心がけています。

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