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多発性硬化症は障害年金の対象か。 練馬区の特定社労士が解説

 多発性硬化症は、歩行障害、手足の麻痺、しびれや疼痛、視力障害、排尿障害、強い疲労感、認知機能低下など、症状が人によって大きく異なります。障害年金では病名そのものより、その病気で日常生活や労働がどの程度制限されているかが重視されます。

 MRI所見や神経学的所見だけでなく、生活や就労への影響を具体的に示すことが大切です。 「症状が軽い」、「働けているから無理」と自己判断して諦める前に、一度ご相談ください。

受給の3つの要件

 原則として、次の3つをすべて満たす必要があります。審査は診断書や病歴・就労状況等申立書をもとに、総合的に判断されます。

  1. 初診日要件:多発性硬化症の症状で初めて医療機関を受診した日(初診日)に、国民年金または厚生年金に加入していること。

  2. 保険料納付要件:初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までの被保険者期間のうち、納付済期間と免除期間を合わせて、原則の「3分の2以上の納付要件」または「直近1年間に未納がない場合の特例」に基づく、申請に向けた確認

  3. 障害状態要件:障害認定日または請求時点で、障害等級に該当する状態にあること。

 障害認定日は、原則として初診日から1年6カ月を過ぎた日です。それ以内に症状が固定した場合は、その日になります。

初診日の考え方

 病名が確定していなくても、自覚症状があって受診した日が初診日になります。 多発性硬化症は、視力低下やしびれで眼科や整形外科を先に受診し、確定診断まで時間がかかることが多い病気です。そのため、初診日の特定が最大の山場になることがあります。

障害等級の目安

多発性硬化症は、身体の機能の障害として認定されます。等級の基準は次のとおりです。

等級 状態の目安
1級 日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度
2級 日常生活が著しい制限を受ける、または著しい制限を加える必要がある程度
3級(厚生年金のみ) 労働が制限を受ける、または制限を加える必要がある程度

3級は障害厚生年金にしかありません。初診日に会社員や公務員だった方は、3級も視野に入ります。

令和8年度の障害基礎年金額

等級 昭和31年4月2日以後生まれ 昭和31年4月1日以前生まれ
1級 年額1,059,125円 年額1,056,125円
2級 年額847,300円 年額844,900円

 生計を維持している一定の要件を満たす子がいる場合は、子の加算額が上乗せされます。2人目まで1人につき243,800円、3人目以降は1人につき81,300円です。対象の子は、18歳になった後の最初の3月31日までの子、または20歳未満で障害等級1級・2級の状態にある子です。

 初診日に厚生年金に加入していた方は、これに障害厚生年金が加わります。報酬額や加入期間で金額が変わるため、個別に試算します。

診断書で押さえるポイント

 運動障害が中心の場合は「肢体の障害用」、視力障害が主な場合は「眼の障害用」の診断書を使います。 記載してほしい内容は、次のとおりです。

  • 歩行能力(杖や装具の使用状況)

  • 上肢・下肢の筋力と可動域

  • 日常生活動作の制限

  • 補助用具の使用状況

  • 再発と寛解のパターン

 筋力低下、感覚障害、ふらつき、視力障害、排尿障害、疲労、疼痛、認知機能低下も、できるだけ具体的に書いてもらうことが重要です。 診察時間が短く、医師に伝えきれない方が多いため、症状をまとめたメモを事前に渡すと効果的です。

 診断書の現症日は、令和6年に見直されています。提出期限前3カ月以内の障害の状態を記入する扱いです。 古い診断書を使い回せないため、作成のタイミングにも注意が必要です。

病歴・就労状況等申立書の書き方

 申立書には、発病から現在までの経過を時系列で書きます。多発性硬化症では、特に次の点を丁寧に記載します。

  • 初期症状がいつ、どのように出たか

  • 複数の医療機関を受診した経緯

  • 確定診断までの経過

  • 再発のたびに悪化した症状

 症状が改善する時期と悪化する時期を繰り返すため、受診状況や就労状況の変化もあわせて書く必要があります。 「できる日」ではなく「できない日」の実態を伝えることが大切です。

請求のタイミングと遡及請求

 再発と寛解を繰り返す場合、いつ請求するかが重要です。日常生活に支障が出てきた時点が、申請の目安になります。

 障害認定日から1年以上たっていても、請求はできます。障害認定日時点の状態がわかる診断書と、請求日前3カ月以内の症状がわかる診断書を用意します。 認められれば、さかのぼって受給できる可能性があります。

社労士事務所アシストに依頼するメリット

障害年金は、書類の出来で結果が変わる制度です。当事務所に依頼いただくと、次の支援を受けられます。

  • 初診日の特定と証明(受診状況等証明書の取得、初診日が不明な場合の対応)

  • 受給の可能性と等級の事前見立て

  • 医師に伝える症状整理シートの作成

  • 病歴・就労状況等申立書の作成

  • 年金事務所への提出と、結果通知後の対応(不服申立て=審査請求・再審査請求を含む)

病気と向き合いながら、膨大な書類を自分で準備するのは大きな負担です。「自分は対象になるのか」という段階から、お気軽にご相談ください。

よくある質問

Q. 働いていると受給できませんか?
A. 働いていること自体は、不支給の理由になりません。仕事の内容、配慮の有無、欠勤や休職の状況など、実態で判断されます。

Q. 診断書が取れない、初診日が分からない場合は?
A. 諦めず、まずご相談ください。カルテが残っていない場合でも、別の資料で初診日を示せる場合があります。

Q. 申請から結果までの期間は?
A. 提出後、おおむね3〜4カ月で結果が通知されるとされています。 混雑状況や案件によって前後します。

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