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家族性地中海熱でも障害年金は請求できる?対象になる考え方・診断書・初診日・手続きを特定社労士が解説

 家族性地中海熱(FMF)で、発作によって生活や仕事に大きな支障が出ている方は、障害年金の対象になる可能性があります。ただし、病名だけで決まるのではなく、日常生活や仕事への影響の程度、初診日の年金制度、保険料の納付状況などを総合して判断されます。

 練馬区の社労士事務所アシストが、病気の特徴、国の認定の考え方、診断書、初診日、申請の進め方を、順に説明します。

※治療については、主治医の指示に従ってください。

1. 家族性地中海熱とは

 発作的な発熱と、おなかや胸、関節の炎症が繰り返し現れる、遺伝性の病気です。 指定難病に定められており、比較的まれな病気です。

症状の特徴

  • 38℃を超える急な発熱が、おおむね12〜72時間続きます。

  • 発熱にあわせて、腹膜炎による腹痛や、胸膜炎による背中の痛みが出ることがあります。

  • 関節炎は、股関節、膝、足首のうち、1か所に出る場合があります。

  • 典型的な場合、発熱は4週間おきくらいに繰り返されることが多いとされています。

  • 発作のない時期には、血液検査の炎症の数値が消えます。

発作のきっかけ

 誘因なく起こることもありますが、ストレス、手術、月経などに誘発されることがあります。 感染やけが、ストレスが引き金になる場合や、女性では月経周期に一致する場合もあります。

原因

 MEFV遺伝子の変異が原因です。 親から子へ伝わる遺伝の病気で、体の炎症を調整するパイリンというたんぱく質の働きが、変異によって弱まります。

2. 診断と治療

診断の進め方

 研究班がまとめた診断基準では、12〜72時間続く38℃以上の発熱を3回以上繰り返すこと、発熱時に炎症の数値が大きく上がること、発作のない時期にはそれが消えること、などが基本です。 そこに、腹膜炎、胸膜炎、関節炎などの症状があるかを確認します。 症状が典型的でない場合は、MEFV遺伝子の検査を行うことがあります。

治療

 治療の中心はコルヒチンという飲み薬で、発作を抑える効果があります。 継続して飲むことで、発作の予防に加え、アミロイドーシスという合併症の予防にもなります。途中でやめると、発作が起きたり、アミロイドーシスになるリスクが高くなるため、継続が必要です。

 コルヒチンで下痢や嘔吐、腹痛などの消化器の症状が出た場合は、量を減らして調整します。 コルヒチンが効きにくい場合には、ほかの薬が使われることがあります。

合併症のアミロイドーシス

 治療をしないと、慢性の炎症が続き、AAアミロイドーシスという合併症を起こすことがあります。主に腎臓に影響し、消化器や心臓に症状が出ることもあります。 近年は、コルヒチンによる予防によって、アミロイドーシスに進む例は大きく減っています。

生活への影響

 治療によって症状を概ねコントロールできるようになり、予後は大きく改善したとされています。 一方で、発熱発作が繰り返されると、生活の質が大きく損なわれ、精神的な負担も大きくなります。 障害年金では、治療を続けたうえで、なお生活に支障が残っているかどうかが問われます。

3. 障害年金の基本

 障害年金は、病気やけがのために、生活や仕事に大きな支障が出た方を支える公的な年金です。受け取るには、次の3つがそろう必要があります。

  • 障害の状態が、定められた等級に当てはまること

  • 初診日の時点で、年金制度に加入していたこと

  • 保険料の納付状況が、基準を満たしていること

病名がついているだけでは、受給は決まりません。

4. 国の認定の考え方

 国の認定基準は、眼、耳、手足、心臓、腎臓などの分野ごとに分かれています。専用の基準が設けられている病気は限られており、原則として、病名ではなく、どの部分にどのような症状がどの程度出ているかという観点で審査されます。 いずれの分野にも当たらない病気は、「その他の疾患による障害」として扱われます。

難病の場合の考え方

 いわゆる難病については、症状が複雑で多様なため、検査などの客観的な所見をもとに、日常生活の能力の程度を十分に考慮して、総合的に判断するとされています。

等級の考え方

 その他の疾患による障害では、全身状態、病気の性質、進行の状況、具体的な日常生活の状況などを考えて、総合的に等級を判断します。 等級の大まかな目安は、次のとおりです。

等級 状態の目安
1級 日常生活のことが、ほとんど自分ではできない状態
2級 日常生活が著しく制限される状態
3級(厚生年金のみ) 労働が制限される状態

 家族性地中海熱では、発作の頻度や重さ、合併症の有無、治療の効果、仕事や家事への影響などを整理して、これらの目安に照らして示していくことになります。

医療費助成とは別の制度です

 指定難病の医療費助成と、障害年金は、別の制度です。審査もそれぞれ別に行われます。医療費助成を受けているかどうかで、障害年金の等級が決まるわけではありません。

5. 診断書について

 障害年金の診断書は、障害の種類ごとに様式が分かれています。いずれの分野にも当たらない病気では、「血液・造血器・その他の障害用」の診断書が用意されています。

 ただし、どの診断書を使うか、症状の日付をいつの時点で記入するかなどは、診断書を作成する前に、必ず年金事務所等に確認するよう案内されています。 自己判断で書き始めず、事前に確認することが大切です。

6. 初診日の考え方

 初診日は、その病気で、最初に医師の診察を受けた日です。途中で病院を変えていても、一番最初の受診日が基準になります。

 家族性地中海熱は、原因のわからない発熱を繰り返して、内科、小児科、膠原病内科、消化器内科など、さまざまな診療科を受診するうちに診断がつく場合があります。 診断までに時間がかかった方は、診断名がついた日ではなく、同じ症状で最初に受診した日が基準になるかどうか、確認が必要です。

初診日がはっきりしないとき

 初診日を一つの日に特定できなくても、一定の期間にまで絞り込め、その期間中ずっと同じ年金制度に加入していたことが示せれば、請求できる場合があります。 個別の判断になるため、専門家にご相談ください。

7. 初診日に入っていた年金で、受け取れる年金が決まります

  • 厚生年金に加入していた場合:障害厚生年金が対象で、3級まであります。

  • 国民年金のみの場合:障害基礎年金が対象で、1級と2級だけです。3級はありません。

 障害厚生年金3級の最低保障額は、令和8年度で年額635,500円です(昭和31年4月1日以前生まれの方は633,700円)。 実際の金額は人によって異なり、毎年度見直されます。最新額は日本年金機構でご確認ください。

8. 障害認定日と、さかのぼる請求

 障害の重さを判定する基準の日(障害認定日)は、原則として、初診日から1年6か月が過ぎた日です。 その時点ですでに対象となる状態だったのに請求が遅れた場合は、過去にさかのぼって請求できることがあります。ただし、受け取れるのは請求時から5年前までの分です。

9. 申請で気をつけたいこと

  1. 初診日の特定:診断前の受診歴を、できるだけさかのぼって洗い出します。

  2. 保険料の納付状況:初診日の前の時点で、一定の基準を満たす必要があります。

  3. 症状の記録:発熱した日、体温、痛みの強さ、仕事を休んだ日などを記録し、主治医に伝えます。発作のない時期は炎症の数値が落ち着くため、日々の状況を整理しておくことが、生活の実態を伝える手がかりになります。

  4. 診断書の確認:使う様式や記入する日付を、事前に年金事務所等へ確認します。

  5. 申立書との整合性:発病から現在までの経過をまとめる「病歴・就労状況等申立書」は、診断書の内容と食い違わないように作ります。

10. 手続きの流れ

  1. ご相談:症状、通院歴、仕事の状況、年金の加入歴を伺います。

  2. 要件の確認:初診日、納付状況、基準の日、さかのぼる請求の可否を整理します。

  3. 書類の収集:初診日を示す資料、戸籍・住民票などを集めます。

  4. 診断書の依頼:主治医に作成をお願いします。

  5. 申立書の作成:発病から現在までの経過を書面にまとめます。

  6. 提出:年金事務所等へ請求書類を出します。

  7. 結果の通知:日本年金機構の審査を経て、結果が届きます。

11. 社労士事務所アシストの特長

初回から代表の特定社会保険労務士が直接対応します

 最初のお電話・ご面談から、代表の特定社会保険労務士が直接お話を伺います。難病の請求では、診断までの経緯、最初の受診先、症状の経過、仕事への影響を、丁寧に聞き取ることが重要です。担当者の引き継ぎで情報が抜け落ちることがありません。

 特定社会保険労務士は、紛争解決手続の代理ができる付記資格です。当事務所の特長は、聞き取りから判断、書類作成、提出まで、資格者が一貫して責任を持つ体制です。

 報酬を得て障害年金の手続きを代行できるのは、原則として社会保険労務士と弁護士です。 ご依頼先を選ぶ際は、社労士登録番号の記載をご確認ください。

12. よくあるご質問

Q. 家族性地中海熱と診断されれば、障害年金を受け取れますか。
A. 診断名だけでは決まりません。日常生活や仕事への影響、初診日の年金制度、納付状況などを総合して判断されます。受給の可否は日本年金機構の審査で決まり、当事務所から受給をお約束することはできません。

Q. 指定難病の医療費助成を受けていれば、障害年金も受け取れますか。
A. 別の制度で、審査もそれぞれ別に行われます。医療費助成を受けているかどうかで、障害年金の等級が決まるわけではありません。

Q. 診断がつくまで何年もかかりました。初診日はいつになりますか。
A. 診断名がついた日ではなく、同じ症状で最初に受診した日が基準になるかどうか、確認が必要です。 受診歴を一緒に整理します。

Q. 発作のない時期は、元気に過ごせています。請求できますか。
A. 発作のない時期も含めて、日常生活や仕事への支障の程度を確認します。 現在の状況を伺ったうえで、見通しをお伝えします。

Q. 自営業(国民年金)です。対象になりますか。
A. 初診日に国民年金のみだった場合は、障害基礎年金の1級・2級が対象です。 症状の程度によって結果が変わるため、まずはご相談ください。

Q. 自分で申請することもできますか。
A. はい、できます。ただし、初診日の特定や診断書の準備で手間取ることがあります。迷う段階でも、無料相談をご利用ください。

Q. オンラインで相談できますか。
A. はい。Zoomでのご相談が可能です。

まずは無料相談から

 繰り返す発作は、ご本人だけでなく、ご家族や職場にも影響します。「自分は対象になるのだろうか」という段階でも構いません。

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