コラム column
退職金制度がない会社ほど、損をしている理由|企業型確定拠出年金(企業型DC)という選択肢
「求人を出しても応募が少ない」、「入社してもすぐ辞めてしまう」中小企業の経営者様から、こうした声を日々お聞きします。その原因を給与水準や業務内容だけに求めがちですが、実は退職金制度の有無が採用・定着に大きく影響しているケースが少なくありません。
このコラムでは、退職金制度がない中小企業の経営者様に向けて、節税効果と採用力を同時に高める方法として注目されている「企業型確定拠出年金(企業型DC)」についてわかりやすくご説明します。
企業型確定拠出年金(企業型DC)とは?
企業型DCとは、会社が毎月掛金を積み立て、従業員が自ら運用方法を選びながら老後資金を形成していく、国が法律で整備した企業年金制度です。厚生年金に加入している事業所であれば、業種・規模を問わず導入でき、中小企業・小規模事業者でも十分に活用できます。
仕組みを整理するとこうなります。
・会社が毎月一定額の掛金を積み立てる(他の企業年金がない場合、上限は月額5.5万円)
・従業員が自分で運用商品(定期預金・投資信託など)を選択して資産を育てる
・原則60歳以降に一時金または年金として受け取る
・従業員が上乗せ拠出できる「マッチング拠出」も設計可能
従来の退職金制度と根本的に異なるのは、退職時に会社が一括で大きな資金を準備する必要がない点です。毎月の掛金を積み立てるだけでよいため、資金繰りが安定している中小企業でなくても導入しやすい構造になっています。
「退職金制度なし」が会社に与える見えないコスト
求職者が求人票を見るとき、給与だけでなく「この会社は将来の保障があるか」という視点で福利厚生の欄を確認しています。退職金制度の有無は、採用の入口から競合他社との差を生む要因です。
・退職金制度がある競合他社があれば、それだけで選考の比較で不利になる
・「将来の保障がない」という不安が早期離職につながりやすい
・中堅社員が「より安心できる職場」を求めて転職するリスクが高まる
制度がないこと自体は今すぐコストが発生するわけではありませんが、採用・定着の面で長期的に会社の競争力を低下させる構造的なリスクを抱えていることになります。
会社にとっての節税メリット
企業型DCが他の福利厚生と一線を画す最大の特長は、会社の税負担を直接・合法的に減らせる点です。
掛金は全額「損金算入」
会社が拠出した掛金は、全額が損金に算入されます。たとえば従業員10名に対して月1万円ずつ拠出した場合、年間120万円が損金となり、その分だけ法人税の課税所得が圧縮されます。法人税率によっては、数十万円単位の節税につながります。
社会保険料は増えない
給与として支給すると、会社・従業員ともに社会保険料が増加します。企業型DCの掛金は給与所得として扱われないため、社会保険料が増えません。給与を単純に引き上げる場合と比べて、会社・従業員の双方にとって「コスト効率が高い報酬の上乗せ」になります。
運用益は非課税・受取時も税制優遇
積立期間中の運用で得た利益は非課税で再投資されます。また、従業員が将来受け取る際には退職所得控除や公的年金等控除が適用されるため、通常の給与として受け取るよりも税負担が大幅に軽くなります。会社にとっても、従業員にとっても本当に喜ばれる福利厚生として機能します。
社長・役員の退職金準備にも活用できる
企業型DCは従業員だけでなく、社長や役員自身の退職金準備にも使えます。役員報酬を下げずに、掛金として積み立てることで老後資金を効率よく形成しながら節税ができる点は、経営者にとって特に大きなメリットです。
採用・定着への効果
企業型DCを導入すると、求人票に「退職金制度あり(企業型DC)」と明記できるようになります。「退職金あり」の一言が、求職者の目を止める力は決して小さくありません。
また、在籍し続けることで資産が積み上がる仕組みは、従業員の帰属意識と長期就労への動機付けにつながります。給与以外の部分で「この会社にいる価値」を感じてもらえる環境が整います。
弊所に依頼するメリット
企業型DCの導入案内は、金融機関や保険会社でも受けることができます。しかし、労務管理の専門家である社労士が関与することで、制度設計の精度と安心感が大きく変わります。
弊所では以下のポイントで他と差別化した支援を行います。
・就業規則・退職金規程との整合性を確認しながら導入できるため、後からのトラブルを未然に防止できます。
・従業員への説明・周知・疑問への対応もとして丁寧にサポートします
・採用強化・定着・健康経営・両立支援と組み合わせた会社全体の人事戦略として一体的に提案できます
・導入後の法改正対応や制度維持も、顧問契約を通じて継続的にフォローします
おわりに
「退職金制度を整えたいけれど、何から始めればいいかわからない」という段階からで大丈夫です。まず貴社の現状をヒアリングし、最適な制度設計をご提案します。初回のご相談は無料です。ぜひお気軽にお声がけください
障害年金及び労務に関する様々なご相談を受け付けております。