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障害年金と傷病手当金は両方もらえる?併給調整の仕組みと返還リスクを社労士が解説【練馬区・社労士事務所アシスト】
「傷病手当金をもらいながら障害年金も申請したいけれど、両方受け取れるのか」というご相談は非常に多く寄せられます。結論から言うと、同じ病気やけがについては、両方を満額で受け取ることはできません。しかし、条件によっては差額が支給されたり、そもそも調整の対象外になったりするため、正しく理解しておかないと思わぬ返還を求められることがあります。
本コラムでは、障害年金と傷病手当金の併給調整の仕組みを整理します。
原則:同一傷病では傷病手当金は支給されない
健康保険の傷病手当金と、同一の病気やけがを理由とする障害厚生年金(または障害基礎年金との合計額)の両方を受けられる場合、健康保険法第108条の規定により、傷病手当金は原則として支給されません。
これは、どちらも「病気やけがで働けない間の所得保障」という同じ目的を持つ給付であるため、二重取りを防ぐ調整が行われるという考え方に基づきます。
ただし、これは「まったくもらえなくなる」という意味ではありません。次のとおり、金額を比較したうえで差額が支給される仕組みになっています。
差額支給の具体的な計算方法
調整の際は、それぞれの給付を「日額」に換算して比較します。
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傷病手当金の支給日額 = 支給額 ÷ 支給日数
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障害年金の支給日額 = 年金額(障害基礎年金と障害厚生年金の合計額) ÷ 360日
この2つを比較し、障害年金の日額が傷病手当金の日額以上であれば、傷病手当金は支給されません。逆に傷病手当金の日額の方が高ければ、その差額分の傷病手当金が支給されます。
たとえば、傷病手当金の日額が7,000円、障害厚生年金の年額が216万円の場合、障害厚生年金の日額は6,000円(216万円÷360)となるため、差額の1,000円が傷病手当金として支給される計算になります。総額としては傷病手当金を満額受け取るのと同じ水準になるよう調整される仕組みです。
見落としがちな「返還リスク」
実務上とくに注意が必要なのが、障害年金が遡及請求によって過去にさかのぼって決定された場合です。傷病手当金を受給していた期間と、あとから決定した障害年金の支給対象期間が重複すると、その重複部分について、すでに受け取った傷病手当金の一部または全部の返還を求められることがあります。
「障害年金の申請が認められて嬉しかったのに、健康保険組合から返還通知が届いた」というケースは決して珍しくありません。これは制度上当然の調整ではあるものの、事前に見込み額を把握していないと、思いがけない出費に慌てることになります。障害年金を遡及請求する際には、傷病手当金の受給履歴とあわせて、返還が生じる可能性を試算しておくことが重要です。
調整の対象にならないケース
以下のようなケースでは、傷病手当金と障害年金の調整は行われず、両方とも満額で受け取ることができます。
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異なる傷病について、それぞれ傷病手当金と障害厚生年金を受給する場合
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障害基礎年金のみを単独で受給する場合(障害厚生年金と組み合わさっていない場合)
「同一傷病かどうか」の判断は、診断書の傷病名や経過の記載内容によって左右されるため、この点も申請時に慎重な確認が必要です。
失業手当(雇用保険の基本手当)とは調整されない
傷病手当金とは異なり、失業手当(雇用保険の基本手当)と障害年金の間には併給調整の規定がありません。そのため、両方を同時に、それぞれ減額されることなく受け取ることができます。これは、失業手当が「働く意欲があるのに仕事がない」ことへの給付であるのに対し、障害年金は「労働により収入を得ることが困難な状態」への給付であり、制度の目的が異なるためです。
ただし、失業手当を受給するにはハローワークで「就労可能」であることを申告する必要があり、この申告内容と、障害年金請求時の診断書に記載される「就労状況・労働能力の程度」との間に矛盾が生じないよう、説明の仕方には注意が必要です。
老齢年金との調整にも注意
65歳以降は、障害基礎年金と老齢厚生年金など、複数の年金を組み合わせて受給できる特例があり、傷病手当金との調整方法も65歳を境に異なります。年齢によって調整の考え方が変わる点も、あわせて押さえておく必要があります。
自己判断で進めると起こりやすい失敗
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傷病手当金を受給しながら障害年金の遡及請求を行い、あとから多額の返還通知を受けて資金繰りに困る
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異なる傷病だと思っていたものが、診断書上「同一傷病」と扱われ、想定外の調整を受ける
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失業手当の申告内容と障害年金の診断書内容に整合性がなく、審査で不利な扱いを受ける
給付の種類ごとに調整の有無・計算方法が異なるため、複数の給付を同時に検討している場合は、申請の順序や見込み額をあらかじめ整理しておくことが欠かせません。
社労士事務所アシストがサポートできること
当事務所では、障害年金と他の給付との併給関係について、次のようなサポートを行っています。
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傷病手当金と障害年金の日額比較による、差額支給の試算
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遡及請求を行う場合の、傷病手当金返還見込み額の事前確認
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同一傷病・異なる傷病の判断に関わる診断書内容の整理
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失業手当を受給しながら障害年金を申請する場合の、就労状況の説明方法のご案内
複数の給付が絡む手続きは、それぞれの制度を個別に理解しているだけでは見落としが生じやすい分野です。傷病手当金を受給中の方、これから障害年金の申請を検討されている方は、申請前に一度ご相談ください。練馬区はもちろん、東京都内・全国のご依頼者様からのご相談に対応しております。
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